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理学療法士のoutputブログ

リハビリの給与に関して考える②(訪問リハビリの求人に年収600万円がある理由)

訪問リハビリは1年目から年収600万円なんて話をなぜ聞くのか!?

今回は介護保険分野でも、訪問リハビリに焦点を当てて書いてみます。

 

医療保険の回もありますので、そちらは以下からアクセスしてください。

www.rabichange.com

 

 

 

理学療法士として働く場合、

訪問リハビリの給与が高いという事を感じたことも多いと思います。

 

年収600万円の募集もざらにあります。

 

非常勤でも、

1時間の訪問で4,000円なんて事もまだまだあります。

 

前回、病院の勤務では年収が400万円〜450万円となる事はしょうがない事であると述べました。

rabi.hateblo.jp

 

訪問リハビリの報酬について考えてみたいと思います。

 

訪問看護ステーションからの訪問リハビリと

病院・診療所又は介護老人保健施設からの訪問リハビリがあり、

両者で単価は違います。

ちなみに介護保険の場合、報酬は「単位」になります。1単位=10円(市区町村で異なる)医療は「点数」でしたので、少しややこしいです。

プラスしてリハビリ20分=1回と呼びます。医療は20分=1単位でしたが。

一人の利用者には1週間に6回までとも決まっています。(医療保険で受ける場合はがん末期患者などで例外もあり)

 

訪問看護からリハビリをする場合の利用料

296単位/回

 

訪問リハビリからリハビリをする場合の利用料

290単位/回

 

となります。

 

それに加えて、訪問リハビリからの方には、この他にも主に以下の加算があります。(その他には減算もありますが)

 

リハマネⅠ〜Ⅳ

230単位/月〜420単位/月

 

社会参加支援加算

17単位/日

 

ここで計算してみましょう。

 

一日に2回(40分)を7件周り、担当は毎月25名の利用者様をもち、週5勤務(実働で年間250日)で働くとしましょう。

 

{(290単位×2回×7件+17単位(社会参加支援加算)×7件)×250日+230単位(リハマネⅠ)×25人×12ヶ月}×10円 となりますので

 

{(290×2×7+17×7)×250+230×25}×10円

=11,137,500

 

一千百十三万七千五百円

 

約1113万円

 

ちなみに訪問看護ステーションの場合は

296×2×7×250=10,360,000

1036万円

 

1日に7件は毎日難しくはありますが、それでもこれだけの数字を出せた事はすごい事ですよね!!

ここで、前回に病院でのMAXは約1375万円だったと述べました。

病院の方が多いじゃないか!!と言われるかもしれません。

 

ここからがカラクリです。

 

なんと病院の人件費率は約50%であると言いましたが、

 

訪問看護ステーションの人件費率は70%以上となっているところが多いようです。(訪問リハビリも同様かやや低いかと思われます。)

 

しかも、だいたい実働以外の人間は管理者が一人という所も多いです。

自分以外の人件費も少ないことになりますね。

 

 

約1000万円の稼ぎから多くが働いているものの懐に入ると考えられます。

という事は、年収600万円

も納得できる数字ではないでしょうか?

 

 

では訪問リハビリに行ったら良いのか?

訪問リハビリは全国においてもまだまだ必要とされており、求人もまだまだ出ているところです。

しかし、離職率も実は多い職場ではあります。

 

f:id:rabichange:20190215200911p:plain

出典:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000120210_4.pdf

給料が良いのになぜ離職が多くなるのでしょうか?

 

訪問リハビリの離職率が高い理由を考えてみたいと思います。

転職を考えている方は以下の点を気にして、入る前に確認しといても良いかもしれません。

訪問リハビリの離職原因について考えてみる

1、忙しいから。

訪問リハビリは収益は訪問件数のみとなります。その為に、件数が直接会社全体の収益につながります。

特に最近では報酬も下がっており、厳しくなっています。会社の経営としては一件でも多く回るようにというところが多いでしょう。

その為、業務時間内は訪問のリハビリ業務がいっぱいになり、書類でおのずと残業になってしまうケースも少なくはありません。

 

また、訪問リハビリの場合、リハビリ実施の曜日と時間が固定されているので、振替にくかったりします。その為に休みが取りにくい事もあります。その点も忙しくなる要因だと思います。

 

2、技術・経験不足を痛感 

訪問リハビリでは一人でご自宅に行き、一人でリハビリをします。

 

何か問題があっても一人です。

電話で確認はできても、対応するのは一人になります。

それに不安を感じる理学療法士も少なくはありません。

 

私も訪問リハビリで行った時に急変や転倒があったらどうしようと、ヒヤヒヤする気持ちがある中で実施していました。

 

ケアマネジャーさんや他事業所への連絡も必要なことが多くあり、そこでちょっとした行き違いや、連絡ミスなどでトラブルになる事も多くあります。

何かトラブルがあっても、その後も違う利用者の方の事などで、連絡を取り続けないといけない場合もあります。気まづい関係が長く続いたりもします。

 

あとは、ご自宅がメインになりますので、病院や施設と違い、アウェイの為クレームも多くなります。

 

こういった事に一人で対応しなくてはいけませんので、技術や経験と対応力が問われます。

 

最近では、社会人経験後に理学療法士を目指し、学校に行くという方も少なくありません。そのような方が、1年目から給料が良いという理由で訪問リハビリに就職するケースも見受けられます。

 

文字通り経験不足で飛び込むわけですから、それは大変に苦労する事も少なくはないと思います。

 

その為に続かないという事もあるのではないでしょうか。

 

3、人間関係

一人では行くとなっても事業所に戻れば、他にいてるスタッフがいます。小さい事業所が多いので、嫌な人がもしいても無視はできません。それはそれはつらい事です。

これはどこにでも言えることではありますが、やはり人間関係で離職する事は理学療法士においても多い理由です。

 

他にも色々とあるとは思いますが、

これら3つの要因が離職の原因として考えられます。

 

入ってみないとわからない事も多いのですが、

バイトで募集してる所も多いので、初めはバイトからスタートするのも有りかと思います。

 

訪問リハビリは今後どうなるのか?

 

給料が良いとは書きましたが、正直

 今は良い

というだけです。

 

訪問リハビリは平成30年度の介護保険の改定で大きな変化がありました。

 

診療報酬の減算

訪問看護ステーションにおける報酬は

316単位平成27年度 302単位→平成30年度 296単位

 

訪問リハビリにおける報酬は

307単位平成27年度 302単位→平成30年度 290単位

 

減算されています順調に。

 

さらには、訪問リハビリにおいては、そこの事業所の医師が診察し、指示書を出すこととなりました。

 

さらには

訪問看護ステーションからのリハビリにおいては

訪問リハビリの利用者宅に定期的な看護職の訪問(少なくとも3ヶ月に1回)が必要となりました。

これにより看護師不足により、継続できない事業所も出ています。

 

訪問リハビリにおいては

訪問リハビリテーション事業所の医師が診療し、指示を出すこととなりました。事業所以外の医師が指示を出す場合には20単位の減算となります。

しかし、他の主治医が指示を出す場合には条件があります。

詳しくは「平成30年度介護報酬に関するQ &A (vol8)」

https://www.pt-ot-st.net/contents4/nursing-care-30/wp-content/uploads/sites/3/2019/02/vol.697.pdf

にありますが、研修を受けている医師でないといけません。

この研修を受けている医師がめちゃくちゃ少ないらしいです。

平成33年3月31日までは猶予期間となりましたが(初めは平成31年3月31日だった)、これも厳しい課題となっています。

事業所の医師が診療時間を作れるのか、往診の必要がある方もいます。場合によっては訪問リハビリがこの為に今後続けられなくなる可能性もあります。

 

報酬は下がり、人件費はかかり、利用者も減ってしまうと言う事なのです。

 

訪問看護ステーションにおけるリハビリの位置付け

また、今回の改定で訪問看護ステーションにおけるリハビリ職の位置付けがあり、

訪問看護ステーションにおける理学療法士などのリハビリは訪問業務の一環であり、看護職員の代わりに訪問を行っており、そういった説明と同意がいるとのことでした。

 

だからなのか訪問看護ステーションにおけるリハビリにはマネジメント加算など、基本報酬以外の加算はありません。

 

5〜6年前からですかね、訪問看護ステーションを立ち上げる、理学療法士作業療法士が多く、儲かっている話はよく聞きました。

政治と歴史の力が強いと思いますが、それをあまりよくは思わない方がいたんでしょうね。あくまで憶測ですが。

 

 

これらのこともあり、訪問リハビリは今後厳しくなると予想されています。

 

最後に訪問リハビリについて

 

訪問リハビリの経験もありますが、

訪問リハビリは、やりがいもあり、かなり楽しいです。

 

やはり、直接自宅で問題点を解決し、家族の方にもより近くの関係で、直接的に感謝して頂くことが多かったからです。

状態の改善や問題点の改善など、やった結果が直接的に出ますので、力量も問われます。

色々な家や生活環境は千差万別であり、それぞれに細かな対応をする事が自分自身のアイデア次第なので、教科書どおりではない、考える力もつきました。

 

訪問リハビリは、やりがいとして行ったことが、直接的にすぐに結果になる部門だと思います。

 

 

今後は訪問リハビリの需要はまだまだ高くなると思います。

入院期間は短縮され、自宅介護・療養も増加します。それにより、利用者数も増加し、状態なども多種多様となり、重症の方も多くなると思います。

色々な方に柔軟に対応できる理学療法士が求められるでしょう。

 

色々な不安を抱えている方も多いとはありますが、興味が少しでもあるなら

一度は是非チャレンジしてほしいです。

 

結果として今回の記事は、より良いリハビリを提供できるように、私も頑張っていきたいと改めて思う回でした。

 

なんでこんな締めになったのかアレですが、

本日も読んでいただいた方、ありがとうございました。